PCの性能向上と、動画配信の移り変わり

今はもうすっかり動画作成、公開が当たり前になりました。PCどころかスマホでそれが行えてしまいます。インターネット老人会のようですが、昔を知っていると隔世の感がありますね。

昔は光回線なんていうものは一部の普及でしか無く、アップロードが1MbpsとかしかないADSL、もしくはそれよりもっと遅いISDNが主流で、数MB程度でもファイルのやり取りに難儀するような環境でした。またCPUもシングルコア、精々デュアルで、並列進行で何かをする、つまりゲームをしながらエンコードするというような事は結構大変な時代です。

録画やリアルタイムに動画配信する為のソフトも、マイクロソフト謹製の「Windows Media Encorder」というソフトが主流で、IP直打ちで直接回線を接続するような形式でした。それなりに知識がないと扱えず、誰でも簡単に動画を発信などとは程遠い物でした。なので必然、見る側も見られる側もうちわ向けで、悪く言えば村社会のような閉鎖的なグループが形成され、独自のルールが生まれそれを守らない余所者を嫌うような、閉じた世界の中で細々と続いているような、そんな状況でした。

それが、PCの基本性能がどんどん上がるにつれ、動画を作成する障害が取り除かれていき、わざわざ別PCを用意するといった事をしなくても容易に一つのPCで全てがまかなえるようになりました。また光回線が普及し、Youtubeなどの動画サイトが次々と誕生して、動画でのやり取りが基本の事にもなっていきました。

今やスマホでも操作一つでリアルタイム放送を開始でき、またPCでも「OBS Studio」という本当にフリーで使っていいのかと思うくらい多機能高性能な動画配信・録画ソフトが生まれ、以前だとその為に事前にああして、こうしてという準備が必要だった事がいとも容易く出来るようになりました。スマホやネット、Twitterなどの普及により全ての人が発信者になり、そこから更に一歩進んで皆が自分自身がテレビ局になれるようになった訳です。

ゲーム機本体でも動画をリアルタイム発信できるように。

Youtuber、Vtuberといった人達が大量に生まれたのも、まさに「面白い人達が面白い事をして、人が集まってきた」状態ですよね。人が集まればお金になる、そんな流れをいち早くキャッチして実行に移した第一人者達は先見の明があり凄いなあと思う反面、「面白くない人が面白くない事をして、人が離れていく」フェーズに入るのもそう遠くはない話なのかもしれません。

素人、アマチュアの遊び場だった世界にも次々「本職」の人達が参入し、殆どの人が埋もれていく。だから目立つ為に過激な事をする……コミュニティが生まれ、そして消えていくその一部始終を見る事になるのかもしれません。かつて、いや今も”村社会”でひっそり楽しんでいる私としては、行き過ぎて悪い方向に流れていかない事を願う事しか出来ません。

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